フェイタス竜馬騎兵団は、
ファレナ女王国における軍事集団である。
顕著なる特色としては、
竜馬と共存し、これを戦力として用いることであろう。
竜馬はファレナ南西部に棲息する希少な生物だ。
頑丈な体躯に硬質な角、羽毛の生えた前肢を特徴とする。
その猛々しい肉体に似合わず、性質は穏やかで知能も高い。
周辺の住民が竜馬と生活を共にするようになり、
竜馬との共同体が形作られたのは、自然のなりゆきであった。
これが騎兵団の原型である。
女王のもとで組織化された際、
竜馬の命を育むフェイタス河に敬意を表して、その名を冠した。
彼らは見習いのうちから相棒となる竜馬と共に鍛錬を重ねる。
剣術や騎乗術を学び、また竜馬との絆を深め、
一人前になって初めて戦場に出ることができるという。
こうして堂々たる心と技を備え、いまやファレナの守護者たる存在だが、
その歴史の中では、信念ままならぬときも少なくなかった。
遺憾なることに国内の謀略や政争に巻き込まれ、
有力貴族の私兵のように使われることも幾度とあったのである。
無論、これは女王国に忠誠を誓った彼らの信条に背くことで、
状況を憂いた竜馬騎兵団は、のちに掟ともなる意志を表明した。
我らが守るべきはファレナの河と大地であること。
ゆえに、ファレナ国内の紛争には決して関与しないこと。
有力貴族の行状に苦慮していた太陽宮もこれを歓迎し、公式に承認した。
以後、竜馬騎兵団は国外からの侵略阻止に専念し、
多くの民の敬愛を得るにいたったのである。
このような経緯を踏まえ、彼らは掟と掲げるものに厳格であり、
時に頑迷なほどであったが、近年では変化も見られる。
その一つが女性登用の解禁であろう。
竜馬騎兵団の前身である集落で女性は竜馬に乗らなかった慣習や、
先在した女王騎士の性別規定に倣い、女性の入団が禁じられていたが、
過ぐる年の内乱平定後、騎兵団長ラハルによって改定された。
女性竜馬騎兵第一号は、ラフトフリート出身のランである。
歴史は刻々と動いている。
しかし、この地に竜馬騎兵団がある限り、
ファレナの安寧と竜馬との絆は永劫であると信じている。